先日、へら絞りの工場に行ってきました。
新製品開発の為、事前に確認したいことがあったので。
へら絞り工場に来たのは30年振りくらい。
しばらくの間、作業の様子を見させていただきました。
「へらしぼり」って、聞いたことがない人、多いよね。
へら絞りとは…
あらかじめ作っておいた型(立体的な回転体)に金属板(円盤状の平板)を合わせて、回転しながら成型する手法のこと。
「へら」と呼ばれる棒の先を、金属板に押し付けながら少しずつ形にしていきます。
陶芸で使う「ろくろ」の金属版って感じでしょうか。

ベテランの職人さんが、鮮やかな「へらさばき」で形にしていました。
簡単そうだけど...熟練の技だからそう見えるんだろうな。
私が行った時は、アルミで深めの容器を作っていました。
画材関係で使われるとのこと。
照明器具では、この「へら絞り」で作った部品が多く使われます。
ランプの傘(シェード)をはじめ、器具を壁や天井に取り付ける為の部品である「フランジ」や、ソケットを覆う「ソケットカバー」などが主なところです。
例えば、私が2014年にデザインした小型ペンダントのシェード↓
1ミリ厚の鋼板をへら絞りで成型し、外側に真鍮色メッキ、内側には白色塗装を施しています。
型には安価な木型を使い、少量生産に対応していただきました。
ちなみに、大量に生産する場合の型は金属製(金型)になります。
このような「へら絞り工場」、国内においては減少傾向だそうです。
もの作りの拠点が海外に移行しているのです。
この素晴らしい技術が国内で残っていけるといいんだけど。